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ヘッド角

今回はヘッドの角度に着目してみたいと思います。

ギターには主に2種類のヘッドの構造があります。

「角度付きネック」

MartinやGibsonではこのネックに対してヘッドに角度が付いているギターが主に生産されていて
ギターの歴史上長く使われてきた構造のヘッドです。

弦を張った時にナットからペグポストまでの角度があるのでナットにかかるテンションが強くなります。
この角度はGibsonの場合、年代やモデルによって角度が変わります。

ヴァイオリンやチェロを見てみるとクラシックギターのスロッテッドヘッドと似たような構造をしています。
ヘッドのサイドからペグシャフトを通して弦を巻くとかなり角度が付いてナットにテンションがかかります。
ペグというパーツが進化して金属パーツで現在のような形になっても尚、
ナットにかかるテンションというのは弦楽器において重要な点と言えるので
角度が付いているギターは形を変えずに製造されていると言えるのではないでしょうか?

「平行段ネック」

ネックに対してヘッドが平行に一段落ちたような構造です。
ギターのヘッドの構造としては後発でFenderが1949年にエスクワイヤ―を発売しますが
このヘッドの構造を採用しています。

製造されるときに木材のコストを抑えられるというFenderの発明と言われております。
ヘッドに角度が付いていないめナットからペグポストまでの角度が浅くテンションがかかりにくいため
ストリングリテーナーが取り付けられております。

ネックの構造だけで見るとナットにかかるテンションは不十分なのではと思いますが
木材での構造ではなくパーツを増やして問題を解決するというのはFenderの合理的な考え方とも言えるのではないでしょうか?

山岡


WSR(リペア&カスタム工房)
熟練の職人技と信念を持つチーフリペアマン・額田誠が率いる、渋谷に居を構える楽器のリペア&カスタム工房です。ギター・ベースの調整、パーツ交換、リペア、改造など幅広いオーダーに対応します。
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