ただいま、都合によりメールによるお見積り・お問い合わせを停止しております。
お客さまにはご不便をおかけしますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

ピックガード

今回はピックガードの素材や種類をご紹介します!

「ベークライト」
1950年〜55年頃でFenderのテレキャスターで使われており、通称「ブラックガード」と呼ばれているそうです。
素材はフェノール樹脂ですが紙を基材にして作られています。
フェノール樹脂は植物原料以外から作られた世界で最も古いプラスチックで
素材としては耐熱性や絶縁体としての性質を持っており電化製品などでよく使われているそうです。

「1ply」
現在では白や黒やアイボリーなどで1plyの「塩化ビニール」のピックガードで製造されていますが
Fenderでは54年~64年頃まで同じく塩化ビニールの白1plyのピックガードが採用されていました。
ですが、この頃の塩化ビニールは経年変化で浮いてしまうことが多くストラトキャスターでは
59年頃に3plyのピックガードに変更すると共にピックガードビスを8本止めから11本止めに変更されていますね。

「3ply」
上記通り59年頃に3plyへと変更されました。
59年~65年頃までは素材が「セルロイド」という素材になります。
この素材自体は経年変化で激しく縮んでしまうため、現在ビンテージとして残っている実機を確認してみると
大幅にピックガードビスがズレてしまっているのが確認できます。
また、自然発火してしまう恐れがあるらしく、在庫できないことから現在では販売されているのをあまり見かけません。
セルロイドの白の3plyは白い層が薄っすらと緑に見えることから通称「グリーンガード」と呼ばれていたそうです。
現在では塩化ビニールで作られています。

「べっ甲」
べっ甲は「タイマイ」というウミガメの甲羅の加工品で古くから装飾品として使われてきましたが
ウミガメ自体が1960年頃に絶滅危惧種に指定されてしまい1973年にワシントン条約制定されました。

セルロイド製のべっ甲が1920年代には既に製造されていたらしく
Fenderでは59年にジャズマスターで採用されてから色々なモデルでも採用されました。
上から「べっ甲・白・黒」の3plyと「べっ甲・白・黒・白」の4plyが一般的に使われています。
こちらも現在では塩化ビニールで作られています。

現在の樹脂製のピックガードはほとんどが塩化ビニールで製造されており
以前と比べて、縮みにくく耐久性も高いのではないでしょうか?
どれもWSRではピックガードとして加工できます。
ギターの色と相談して気分転換に変えてみてはいかがでしょうか?

山岡


WSR(リペア&カスタム工房)
熟練の職人技と信念を持つチーフリペアマン・額田誠が率いる、渋谷に居を構える楽器のリペア&カスタム工房です。ギター・ベースの調整、パーツ交換、リペア、改造など幅広いオーダーに対応します。
Web : https://www.ikebe-gakki.com/web-ikebe/wsr/index.html

関連記事

Accessory
バレットエンド
バレットエンド

こちらはお客さまからお預かりしたYngwie MalmsteenのシグネイチャーモデルのFenderの弦です。 ゲージを見てみると「.008・.011・.014・.022・.032・.046」と、バラバラで1~5弦が細い […]

Read More...
気ままな日記
スタビライザー
スタビライザー

先々週「10弦ベース」が珍しく、記事として取り上げましたが、今回もあまり見かけないギターだと思います。 「Roland G-707」です。変形ギターの中でも独特な形状をしており、1984年に発売されたモデルなのですが、何 […]

Read More...
For Beginner
ポジションマーク
ポジションマーク

今回はポジションマークについてです。 ギターやベースの指板にはフレットをすぐに判断できるようにポジションマークが取り付けられています。年代によって種類や素材が変わってくるので見た目にも変化があり、年代の識別要素にもなりま […]

Read More...
Repair
フィンガーレスト
フィンガーレスト

Fenderのジャズベースやプレシジョンベースの1弦側にある黒い棒のような物をどう使うかご存知でしょうか? これは「フィンガーレスト」です。 近年では親指をピックアップの上に置いてその他の指で弦を弾く弾き方が主流ですが、 […]

Read More...
気ままな日記
先週の答え
先週の答え

先週の「Q:何の治具でしょう?」を読まれていない方はまずは読んでいただければと思います! ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ […]

Read More...
Accessory
Fret Defender
Fret Defender

四季がある日本での楽器の保管の仕方はどうすれば適切なのかは楽器の個体や保管場所によって変わってくるので難しいと思います。 今回ご紹介させていただきますのは「fret defender 」です。 見た目はただの一枚の布に見 […]

Read More...
Accessory
SLIPSTICK
SLIPSTICK

「SLIPSTICK」という潤滑剤のサンプルが届きました。「ナットソース」同様にナット溝やサドル、テンションピンなどの弦の触れる部分に塗って、滑りをよくするという商品です。まだ試してはいないのですが、リップスティックの様 […]

Read More...
For Beginner
マイクロティルト
マイクロティルト

以前、ネックジョイントという記事でデタッチャブルというジョイント方法を解説いたしました。 Fenderでは、エレキギターの発売当初からネックとボディを4本のネジで固定をしていましたが1971年にストラトキャスターが3本の […]

Read More...

最近の投稿

カテゴリー

アーカイブ

ACCESS

WSR(ダブリュ・エス・アール)
WSR(ダブリュ・エス・アール)

〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1-7-4 スクエアB 3F
TEL.03-6433-7957
E-Mail wsr@ikebe.co.jp